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23 April 2006

アーキテクトって何?

言葉の意味を明確にしないといけないことがIT業界には山ほどありますよね。特に私はSEという言葉がまったく理解できていません。SEの仕事ってなんでしょうね。いやそもそもSEは何の略?System Engineerでしょうか?でもSE活動なんて言葉もあります。これって何の活動?なんて思ったら、SEがSales Engineerだったり。(Sales Engineerって営業技術者?)

私のSEという言葉に対する解釈の例に漏れず、ITアーキテクトもまた不可解な言葉。
私は

アーキテクトはアーキテクチャを設計する人


だと理解しています。アーキテクチャはハードウェア・アーキテクチャ、ソフトウェア・アーキテクチャ、アプリケーション・アーキテクチャなど千差万別のレイヤで切られるのですが、それらの全てまたはいずれかを設計する人をアーキテクトだと思っています。

ソニー生命保険が考えるITアーキテクト像 - @IT情報マネジメント という記事を読んだとき、やはりITアーキテクトという言葉の揺らぎ(不確かさ)が伝わってきました。

例えばプロジェクトマネージャのように、システム開発全体を指揮するのもITアーキテクトですし、
プロジェクト・マネージャはプロジェクトを管理する人です。企業によってはプロジェクトを管理するアーキテクトもいると思いますが、アーキテクト=プロジェクトマネージャという公式はアーキテクトを誤認されているように思います。
またアプリケーションエンジニアのように1つの分野で経験を積んだ者の最終形としてITアーキテクトがあると思います。
これはキャリアパスのことで、アーキテクトの説明はしていませんので、特に異論なし。
また、企業のセキュリティ施策を考えたり、また予算を含めてIT化計画を策定するのもITアーキテクトといえます。
この辺りはどうなんでしょう。予算については経営層~プロジェクト・マネージャが考えるものかな。ITTS ITSS で提唱されているんだったけ。
アーキテクチャを共同で設計し、統制を取っていく。それが当社のITアーキテクトの姿です。
というのが正解だと思っています。最後に正解がでているのに、前半で色々と尾ひれがついてしまったので、アーキテクト像がぼやけてしまいました。それだけ曖昧な言葉に映るのでしょうね。

さらに続けて、


いずれにしても計画策定やプロジェクトマネジメントのスキルは必要だと思います。

ここでいうプロジェクトマネジメントとは、「調整能力」のこと。


ITアーキテクトには、調整能力のほか「危機察知能力」が最も大切なのではないかと思います。

とあります。アーキテクトの仕事ではないような気がしたのですが、ちょうど文末にPMBOKへのリンクがあります。
※URLが日本HP ニュースリリース - 独自開発チップセット採用でシステム性能を最大30%アップさせた新サーバを発売 - (2006.4.18) になっていますけど。

文中でおっしゃられる調整能力はコミュニケーションを指し、危機察知能力はリスク管理を指すと思います。これらってPMBOKの提唱するプロジェクト・マネジメントのための管理項目です。確かにPMBOKを誰もが理解しているとプロジェクト・マネジメントは円滑に回りますが、でも主にはプロジェクト・マネージャのドメインであり、アーキテクトのドメインではないと思います。さっきちゃんと正解が出たのに。。。
アーキテクトにたくさんを求めていらっしゃいますね。

そんなわけでIT業界の個々の分業化はなかなかできないのが現状ですね。そもそも個々の力量の格差が最も顕著に現れる業界でもあります。だから能力のある人に任せたい気持ちも分かりますし、マルチに働いてもらいたいのも分かります。なのでアーキテクトの方々はそれに応えるようにしなければいけませんね。相当期待されていますよ。

ということが結論ではなくて、

結論はアーキテクトの定義があやふやですね。ということが言いたかったのです。(笑)

では。。。

(2006.5.4 追記)
WEB+DB PRESS Vol.32 を読んだら、佐野祐一郎さんの連載『ソフトウェア技術者の今とこれから』に「ITアーキテクトっていったい何?」というタイトルでアーキテクトについて記載されていました。
やはり、ITアーキテクトは、ITスキル標準(ITSS) で提唱されているようですね。
WEB+DB PRESS Vol.32のp.209~210を引用しますと、

ITスキル標準ではITアーキテクトの専門分野を以下の5つに分けています。

  • アプリケーション

  • データベース

  • ネットワーク

  • セキュリティ

  • システムマネジメント


これらの分野の仕事をするのがITアーキテクトです。また専門分野を問わずITアーキテクト共通のスキルとして下記が設定されています。

  • アーキテクチャ構築

  • デザイン

  • テクニカル

  • メソドロジ

  • コンサルティング

  • プロジェクトマネジメント

  • インダストリ

  • リーダーシップ

  • コミュニケーション

  • ネゴシエーション


ITアーキテクトと呼ばれる職種の人は、これらのスキルを持っている必要があるのです。

なんと!

このエントリに関して、私が全面的に誤っていたようです。申し訳ありませんでした。m(_ _)m

私はアーキテクチャ構築部分のみをクローズアップしていました。でもアーキテクトが担うのはそれらを取り巻く全てで、何でもやらなければならないのですね。こりゃ大変だ。キャリアパスの延長線上にITアーキテクトがあるとするなら、キャリアパスを見つめた瞬間にくじけてしまう人も出てきそうですね。
頑張れ!ITアーキテクトの皆さん!

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